むらかみ内科クリニック

院長ブログ

BLOG

  • 正月あるある病

    正月明けの内科診療あるあるを書いてみようと思います。まず一番はなんと言っても糖尿病。正月のごちそうと運動不足でかなり悪化している人を見かけます。それでも一昔前に比べれば随分良いと思います。昔は3個、5個と餅を入れた雑煮を食べたり、砂糖のたっぷりはいったきなこ餅など食べていましたが、いまどきそんなに餅は食べないでしょう。餅は炭水化物、しかも米をつぶしてあるので消化が早く血糖の上がりが急峻です。糖尿病の人は絶対に避けるべき食品です。正月明け1回目の診察で血糖やヘモグロビンA1cが上がっている人、今回だけは大目に見ます。薬を増量したりしませんので、2月は節制して良いデータになるよう頑張ってください。

    次に、痛風。痛風は尿酸が高いと足の指のつけ根の関節が腫れて歩けないほど痛むものです。アルコールで尿酸が上がるので正月に悪化します。ビールのプリン体が悪いと言われていますが、プリン体を含まない日本酒や焼酎、ワインなどどのアルコールでも尿酸は上がります。もう一つ、おせちで必ず出てくる数の子、めんたいこなどの魚卵系珍味。これは尿酸を上げる食材の代表格です。さらに、ハムなどの肉類も尿酸をあげます。昔は痛風を贅沢病といっていたようにごちそうを食べたりお酒を飲みすぎると悪化します。最近は、そういう贅沢な生活習慣がなくても痛風になる人がいるとわかっているので、あまり贅沢病とは言わなくなりましたが、正月に悪化するのはそういった背景があるからです。

    3つ目はメンタルの問題。正月休み中は仕事もなくて体調も良かったけど、1月3日頃、明日から仕事だと思うと頭痛、腹痛、下痢など体調に異変をきたす。仕事のストレスでしょうが、休み明けに症状が悪化するのは5月病と同じ理屈です。逆に、日頃夫や子供が仕事や学校に出ているときは体調がいいけど、正月休みで24時間夫や子供が家にいるとストレスで体調を壊す奥さんがいます。帰省でお姑さんと会うことで体調を壊すお嫁さんもいます。正月あるあるです。

    美里町の澄んだ川