むらかみ内科クリニック

院長ブログ

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  • 糖尿病薬で尿糖が出ることがあるのは今や常識!

    雨が上がって急に寒くなってきました。夜に犬の散歩をしていたら凍えるような寒さで、むかし札幌に行った時を思い出しました。空気がキリッと引き締まって気持ちいいのですが、やっぱり寒いので小走りに散歩を終えてあわてて家に戻りました。最近は冷え性の相談がよくあります。足がひえて眠れないという人が多いです。私の経験では、そういうときは布団乾燥機を寝る前に5分でいいのでかけると気持ちよくねむれます。布団は寝ている時に水蒸気を吸うので、その湿気があるとひんやりします。それを乾燥機で温めて吹き飛ばすのです。靴下を履いて寝るという人もいますが、足は体温調節の重要な部分なので、靴下を履くと自律神経が乱れる気がします。それから、靴下を24時間履き続けると水虫のリスクがあると思います。できれば寝る時は靴下は履かない方がいいと思います。

    漢方では、当帰四逆加呉茱萸生姜湯をよく使います。末梢の冷えを治します。更年期で足は冷えるけど頭は暑いという場合は加味逍遙散を使います。単に温める処方ではなく、身体の熱バランスを整える処方です。そのほか、十全大補湯や柴胡桂枝乾姜湯なども冷えによく使います。温まり方が足りない時は附子や人参を追加します。

    話は変わりますが、88歳の通院患者さんが軽い糖尿病で治療中なのですが、特定健診で尿糖が出ていたとのことで保健指導になり、あれこれ栄養指導を受けたと言われていました。私からしてみたら全くのおせっかいです。尿糖が出ていたのは、新しい糖尿病治療薬の効果で、余分な糖を尿から捨てることで血糖を下げる働きがあるので、そのためです。この薬は糖を下げるだけでなく、心不全や腎機能低下も改善する働きがあるので、これからの糖尿病治療では第一線で使われるべきものです。そもそも高齢者の糖尿病はあまり厳しく治療してはいけません。高齢者は栄養不足の方がよほど心配なので、あれこれ食べてはいけないという指導はしないでいただきたいと思います。

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