むらかみ内科クリニック

院長ブログ

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  • エディロールの処方を再開します

    この数カ月、骨粗鬆症の予防薬エディロールという薬の生産が滞っており入手できない状態が続いていました。この度、ついに生産が再開し、当院前の凌雲堂薬局にも入荷しましたので、処方を再開します。エディロールは活性型ビタミンDです。ビタミンDは骨の形成に大切なビタミンです。また、副作用が少ないので、安心して服用できます。一方、以前は使っていたけどいまはほとんど使わないのがカルシウム製剤です。骨はカルシウムでできているというのは間違いではないのですが、カルシウムを摂ってもたいして骨折の予防にはなりません。それどころか、カルシウムをとり過ぎると尿中にカルシウムが排泄されるため、尿管結石のリスクとなります。アメリカやデンマークといった酪農王国でも骨粗鬆症が非常に多い事実から考えて、カルシウムや牛乳をたくさんのんでも骨は丈夫にならないということがわかります。

    骨はカルシウムだけでなく、コラーゲンが重要な成分です。建物に例えるならコラーゲンが鉄筋で、カルシウムはコンクリートです。鉄筋のないコンクリートの塊はもろくも崩れます。コラーゲンは肉や魚を煮たときに出る煮こごり(冷えると固まるゼラチン)にたくさん含まれます。食べたコラーゲンは消化されて吸収されますが、ビタミンCを十分とると体内でコラーゲンに再構築されることがわかっています。したがって、骨を丈夫にするためには肉・魚(コラーゲン)や野菜(ビタミンC)をしっかり取らないといけません。

    もう一つ骨粗鬆症予防に大切なのは、運動です。骨に重力(G)をかける運動をしないと骨は丈夫になりません。寝たきりの人がどれだけビタミンDやボナロン(アレンドロン酸)などをとっても効果は期待できません。骨にGがかかっていないからです。骨にGをかける運動としては、ジョギング、縄跳び、テニスなどがありますが、家庭でできる簡単な運動としてはかかと落としです。つま先立ちしてかかとからどんと体重を足にかけます。これを1日10回以上すると骨密度が改善します。