むらかみ内科クリニック

院長ブログ

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  • 緊張して震えたり動悸がしたりするとき

    新入社員の人たちは、4月5月の研修を終えてそろそろ独り立ちというところも多いのではないでしょうか。あとは任せるからお得意先をまわって来いといわれたりとか、一人前として担当を持たされたりする頃だと思います。本当なら1−2年かけてじっくり指導してほしいところですが、給料をもらっている以上は、一日も早く独り立ちしないといけません。中途採用の人などは、なおさら即戦力として期待されていることと思います。

    そんな中、朝礼で発表の当番が回ってきたとか、いろんなシーンで緊張しまくってドキドキしたり、前日から眠れなかったり、当日震えや動悸が止まらなかったりで、冷や汗モノという人もたくさんいることと思います。病名をつけるなら不安障害とか心臓神経症とか、そんな感じになります。仕事にならないで困っている、という場合、薬の治療を考えてもいいかもしれません。一般内科で相談すると、こういう場合デパスみたいな抗不安薬が処方されることが多いと思いますが、デパスは決して軽い薬ではありません。抗不安薬の中では最強の部類に入り、使うほどに依存がでてきます。やめられなくなるので麻薬のようなものです。当院ではほとんど処方しません。

    不安障害も、日頃は何事もなく過ごすことができて、月に1回程度の発表当番が緊張する、というレベルの人から、毎日緊張して仕事にならないという人もいます。その頻度や具合によって治療の方針が変わってきます。根本からきちんと治すにはそれなりの治療をしますが、たまの緊張だけなら軽い抗不安薬や漢方とドキドキを抑えるβブロッカーという心臓の薬を組み合わせて使うことが多いと思います。とくに入試のような眠くなったら困るけど緊張するという状況では、抗不安薬は使えませんので、気をつけて処方を考えています。また、薬を使って緊張を和らげながら場数を踏むことで、だんだん慣れてきて緊張しなくなれば、それが理想です。