むらかみ内科クリニック

院長ブログ

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  • 月経過多の食事療法

    女性で貧血の原因のナンバーワンは月経過多です。生理の際に出血がおおくて、普通の食事で摂る量の鉄分では補いきれずに貧血になるものです。鉄分の多い野菜の代表はほうれん草や小松菜ですが、昔の露地栽培ものと違って最近の野菜はアクも少なく栄養が殆ど入っていません。ほうれん草で貧血治療できる量の鉄分を取ろうと思えば毎日4キロのほうれん草を食べないといけません。まあ無理でしょう。赤身の肉(牛や豚)にも鉄分が含まれますが、これも、それほどたくさんは食べられません。

    発想を変えれば、鉄の補給以外には、月経過多の治療をすれば貧血は治ります。そこで、婦人科に相談するわけですが、子宮筋腫などが見つかることがしばしばあります。しかし、見つかったから即手術というわけではなく、多くの場合、経過観察となります。まだ小さいからとか、年齢からあと数年で閉経するから、とかいろんな理由で手術が見送られます。そこで登場するのが桂枝茯苓丸という漢方です。産婦人科で子宮筋腫の治療によく使われる処方です。

    当院は漢方を専門としているため、そういう処方をもらっているけど改善しないという難症例が集まってきます。その場合、「きゅうききょうがい湯」という漢方を加えるのですが、その構成成分で大切なのはアキョウというニカワです。肉や魚を煮たりするとゼラチン状に汁が固まります。そのゼラチン(コラーゲン)が大切なのです。そこで、そのような患者さんには漢方だけではなく、市販のフィッシュコラーゲンとビタミンCを飲むようにお勧めします。最近たて続けにこのような患者さんがあり、皆さん驚くほど生理の出血が減ったと喜ばれています。コラーゲンは肌の調子が良くなるだけでなく生理の出血も軽くなるという、まさに女性の味方です!