むらかみ内科クリニック

院長ブログ

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  • 食欲不振の治療

    美味しいもの大好きの私は食欲がないということはありませんが、太らないように朝昼はセーブしています。最近は、昼にフードジャーを使って、具だくさんの味噌汁をランチとして持っていくことが多く、他には何もとりません。味噌汁だけです。それで満足感が出るように、豚肉やさつま揚げなどをいれてボリュームを出すようにしています。タンパク質の豊富なそばの実も入れます。

    患者さんで、食欲がないといって来られるケースは相当あります。たいてい、胃腸科で胃薬をもらっても食欲は出ません。消化剤でも変わらないことが多いと思います。食欲不振の原因は一つではありません。うつ病で食欲がない場合はうつの薬がよく効きます。スリピリドやミルタザピンという薬は食欲が出ます。うつでなくても食欲増進目的で処方する場合があります。一方、食欲に関連するグレリンというホルモンが少ないために食欲が出ない場合があります。このような場合は、六君子湯という漢方が非常によく効きます。

    次に、食べると胃が痛くなって食べられないというケース。これも胃薬では治りにくい。私は、桂枝加芍薬湯という漢方を使います。ほかにわりと多いのが、食べるとお腹が張ってきつくなるケース。これは機能性ディスペプシアの場合とSIBOという疾患の場合があります。前者の場合、半夏瀉心湯、後者の場合は抗生物質の少量投与やフェロベリンといいう胃腸炎の薬でお腹の張りをコントロールします。いずれにしても、食欲不振と一言にいっても原因が様々で、それに応じて治療法も簡単ではありません。経験と勘が大切です。

    今日のクリニック前の公園。週末の雨にも負けず桜は残っています