むらかみ内科クリニック

院長ブログ

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  • 本治と標治

    花粉症が増えています。去年は少なかったのですが今年は随分多いみたいです。私はビタミンDの5000単位を週2回飲んでいたのですが、少しくしゃみや目のかゆみがでてきたので何度か多めに飲んだらおさまりました。やっぱりよく効きます。処方できるならみんなに出してあげたいのですが、保険が効かないのでそういうわけにもいきません。ネットで買う方法を聞かれたら教えるのですが、時間がかかるので皆さんに説明する暇はありません。なにしろ、ネットで買ってもらって花粉症が治ってしまっては、当クリニックにとって1円も特にならないし、近隣の耳鼻科の先生も商売上がったりになってしまいます(笑)。ブログを丁寧に読んでくれた方だけが得をすることでしょう。それでも、質問があれば聞いてください。買い方などはちゃんとお答えします。

    治療には症状だけをとる対症療法(漢方では標治という)と体質からきちんと治す(漢方では本治という)2種類があります。例えば花粉症を抗アレルギー剤で治すのは標治。薬が切れるとまた鼻の調子が悪くなります。一方、ビタミンDで体質改善をして花粉症がおこらない体を作るのは本治でしょう。漢方で体質改善する方法もあります。これも本治に近いです。このように、今の治療が標治か本治かを意識することは大切です。

    不安障害で、安定剤(デパスやソラナックスなど)を欲しがる患者さんがあとを絶えませんが、もちろんこれは標治です。薬が効いていると不安は和らぎますが、薬が切れるとまた調子悪くなる、の繰り返し。治ったようで治っていない。一方、抗うつ剤や鉄剤、ビタミン剤などを組み合わせて不安の根っこからきちんと治す方法があります。少し時間がかかっても、本治をしなくては意味がないのは説明するまでもないと思います。

     

    令和3年3月3日3並びのひな祭りです。