むらかみ内科クリニック

院長ブログ

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  • 糖尿病の新しい栄養療法

    東北ではまた強い地震があったそうです。ちょうど10年の節目にやってくる地震、こわいですね。福島の原発からはまた核燃料保管プールの水が漏れたと言っていました。危ないとわかっているのだから、早くなんとかしてもらいたいものです。熊本は2回大きな地震に見舞われましたが、1回目の地震で倒れた家具やお皿、花瓶などを元の場所に戻したところ、2回めで割れてしまったという話を聞きます。1回目の地震の後、危ないからと箱に入れてしまったところでは2回めの本震で難を逃れています。油断大敵です。そして、熊本もちょうど5年目を迎えようとしていますが、あれだけ被害のあった、益城近辺や南阿蘇にはまた新築がたっています。一度大きな災害があったところは、忘れた頃にまた来ると思っていたほうがいいと思います。

    日曜は朝からWEB講演会に参加しました。糖尿病の最新の話題です。ミトコンドリアの品質管理という面白いお話でした。栄養を取りすぎると糖尿病になるわけですが、細胞内では過剰な栄養がATPというエネルギーに変換されます。そのATPはミトコンドリアで産生されるのですが、過剰になると炎症を起こして、ミトコンドリアの質が低下するそうです。ミトコンドリアは人の遺伝子とは別の独自のDNAを持っているのですが、傷んでしまうと修復できないそうです。そこで、ミトコンドリアを傷めず、いい状態に保つために必要なのがケトン体だそうです。

    ケトン体は絶食して体に栄養が足りなくなったとき、体脂肪がエネルギーとして燃やされる際に発生します。つまり、食べすぎず、空腹を味わうことがミトコンドリアの品質をたもつのに重要だそうです。しかし、高齢者は筋肉量が低下してサルコペニアという状態になりやすいので、食事制限はしすぎず、痩せないように努力すること。ご飯の前に肉や魚といったおかず(タンパク質)をしっかり取ることを推奨されました。ケトンを意識するなら、間食しないこと、夜遅く食べないことなどが大切です。食品交換表を見ながら何カロリー以内にするというエネルギーコントロールの時代はすでに過去のものとなりました。お間違えないように。

    熊本県庁