むらかみ内科クリニック

院長ブログ

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  • サプリを取るにもバランスが大切

    私が分子栄養学を実践する際に参考にしている一人がTouTubeで活躍している「栄養チャンネル」の信長先生です。最近見た動画で、大事なことを言っていたので紹介しておきます。近年、ビタミンDはコロナの重症化を予防する働きや花粉症を軽くする働きで注目されています。そこで、サプリを買って飲まれている人も多いと思います。私の経験では花粉症には1万単位を1週間ほど飲んだらすっかり良くなりました。これをそのまま飲み続けるのはよくありません。悪くすると、副作用が出ます。私の場合、花粉症が落ち着いたらあとは週に1回か2回1万単位をのんでいい状態を維持しています。毎日飲むということはありません。ビタミンDに副作用があり得るのは脂溶性で、過剰摂取した分が尿中に抜けないからです。ビタミンDはカルシウムの吸収を促進するのですが、そのカルシウムは骨に行ってくれるとは限りません。多くは腎臓で濾されて尿中に排泄されます。そこで、腎機能低下を引き起こしたり、尿管結石の原因となります。

    私のブロクで再三書いていますが、ビタミンKを一緒にとっておけば、この副作用は軽減されます。ビタミンKは納豆にも入っているので、納豆を頻繁に食べておけば、ビタミンKサプリは不要です。似たようなことは、ビタミンCにもいえます。ビタミンCを大量に摂取する際はビタミンEを一緒に取らないといけません。また、カルシウムを取る際にはマグネシウムを一緒に取らないといけません。こういった裏表の関係にある物質(漢方的には陰陽)はバランスがとても大切です。どちらか片方を大量にとってはいけません。自分の飲み方に自信がない方は、遠慮なく相談に来て下さい。

    漢方では、当然陰陽のバランスを考えて調整します。例えば六味丸は陰を補いますが、八味丸は陰陽とも補います。補中益気湯は陽を補いますが。十全大補湯は陰陽とも補います。葛根湯は陽を補いますが、麦門冬湯は陰を補います。このような基本を抑えて治療しないと、効くものも効かないし、副作用が出てもおかしくないわけです。私の診療は、東洋医学でも西洋医学でもこの陰陽バランスを考えながら患者さんの病態を正確に把握する努力をしています。