むらかみ内科クリニック

院長ブログ

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  • みかんやいちごの収穫・・という仕事もある

    よく、会社のストレスで動悸や吐き気がして体調不良で早退した。翌日、出勤しようとしたが、どうしても体が動かない、みたいな患者さんが来院されます。よく聞くと、上司がとても怒りっぽくて指導という名のパワハラを繰り返している場合が多々あります。ただ、私たちのところに来るのはパワハラされた、という被害者意識のある患者さんだけで、パワハラをしたとされる上司が来ることは極まれです。それでも、私の経験からすると、どちらにも言い分があり、どちらかが悪とレッテルをはれるようなかんたんな構図ではないことが多いと思われます。専門的に言うと、仕事にいけなくなった側にも何らかの問題があり、それは発達障害(自閉症スペクトラム、アスペルガー、多動・注意欠陥障害など)が多少なりとも存在して、組織になじまないことが多いと感じます。

    診断書を書いて2−3ヶ月休職すると、体調も良くなることが多いですが、復職しようとすると駐車場まではいけたが車から降りられなかったとか、仕事を再開しようとしたけど上司の顔を見た途端震えが止まらなくなってまた早退した、みたいなことになります。会社からは「もっと完全に治ってから出て来い!」といわれますが、完全に治ったかどうかは出勤してみないとわかりません。何しろ家では元気なのですから。

    結局、そういう場合、半日出勤など復職プログラムを準備してもらい、少しずつ慣らす以外にないのですが、殆どの場合上司との関係性に問題があるので、部署異動するか転勤しないとなかなか元通りの職場で元気に働ける場合は少ないように思います。そのような人におすすめするのは農家での収穫のバイトです。上司はいません。自然を相手に黙々とみかんやいちごの収穫をするのはストレスも少なく、達成感もあり、働きやすいと思います。当院では何人もこうして農家のお手伝いをして社会復帰した方がいます。