むらかみ内科クリニック

院長ブログ

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  • 完璧主義を捨てよう

    落ち葉の季節となりました。毎朝クリニックの前には大量の落ち葉、一人で片付けるなら1時間以上かかると思いますが、クリニックお隣の奥さんが毎朝手伝ってくれて助かっています。相当大変だろうと思います。私も、中腰で落ち葉を集めていると腰に来るので、休み休みビニール袋に集めますが、30Lの袋でいくつもになります。街路樹を見上げるとまだまだたくさんの葉がついています。仕事は続きます。毎朝6時過ぎに家を出てまだ暗い中掃除しています。本当はクリニックの2−3軒となりまで掃除したいのですが、どうしても時間が取れません。せっかく一箇所に掃いて集めてもビニールに詰めなければあっという間に風に飛ばされて元通りになってしまいます。

    完璧主義の人は、こういう作業に向いているようで向いていません。なぜなら、落ち葉一つないところまできれいに掃除しても5分ほどでまた新しい葉がたくさん散ってくるので、完璧に掃除した満足感は数分しか得られないからです。きっと、頭にきてもうやめた!と思うことでしょう。そこで私は、毎朝落ち葉を集めながら、心に唱えることがあります。それは、「完璧を目指すな。だいたいでいい!歩道の落ち葉の量が減ればそれでよし」そう何度も何度も唱えながら、黙々と掃除します。

    実は、医療も同じだと思います。完璧を目指すのはいいように見えて実は良くない。例えば、人間ドックで、血圧、肝機能、中性脂肪、コレステロール、尿酸、血糖が少しずつ異常値だったとします。完璧を目指すなら、それぞれに薬を使って、血圧、コレステロールの薬、尿酸の薬と積み上げていき、とんでもない量の定期薬になります。もちろん全部使えば来年のドックでは優秀な成績かもしれません。完璧主義の人ほどそれを理想とします。しかし、数値を治すのが目的ではありません。健康な毎日と元気な老後を過ごせればいいのです。尿酸や中性脂肪がすこしくらい正常値を超えていても元気ならいいじゃないか、と多少の妥協も必要です。どの数値を治すか、どの数値は経過観察でいいか、はかかりつけ医の腕にかかっています。大学病院や健診をする大病院は数値が全てで、個人の生活や一生には責任も興味もないのです。