むらかみ内科クリニック

院長ブログ

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  • 資格をを足かせにしてはいけない

    職場のストレスで急に仕事にいけなくなったと言って来院される方が後を絶えません。しばらく休職して元気になって復職する人もいれば、結局辞めてしまう人もいます。感覚的には五分五分です。パートの人とか、派遣の人などは案外かんたんに退職して翌月には次の仕事についています。転職が必ず成功するわけではないのですが、職場の上司の顔を見ただけで気分が悪い、などと言いながら何ヶ月も退職もせず復職もしないで悩んでいる人より、よほどいさぎよいと思います。なかでも資格を持っている人はその資格にこだわるので、転職がうまくいきません。うまく行かなくしているのは、せっかくとった資格を使った仕事をしようという自分の思い込みや勝手に決めた足かせのせいです。

    いちばんどうしようもないのが学校の先生(特に公立校の先生)です。仕事で鬱になってもずっと学校の先生にこだわります。転勤(転校)したくても、校長先生とか教育委員会に権限があるので自分の思うように異動できないのです。実力さえあれば私立校に転職するもよし、塾を開業するもよし、YouTubeでカリスマ先生として授業をネット配信するもよし。学校関係でなくても普通にサラリーマンに転職するてもあります。それができないのは資格を持っているという足かせのせいです、本来は資格というのは足かせではなく、その人の人生を豊かにするアイテムの一つのはずです。そこを、勘違いしている人がいかに多いことか。

    看護師や介護士さんも資格があれば今の時代引く手あまたですが、どこに行ってもうまく仕事ができない人がいます。それは、職場が悪いのではなく、その仕事がその人の天職ではない(向いていない)可能性があります。占い師ではないですから、診察の際に「あなたにその仕事はあってないよ」とはなかなか言えません。しかし、そう思うことはしばしばです。人生、寝ている時間を引いたらほとんどの時間を職場で過ごします。その仕事が自分に向いていない、楽しくない、憂鬱だ、というのなら、大切な人生にとって大変な無駄です。もっと自分の情熱を傾けられる仕事がないか、よーく考えてみたらどうかと思うのです。世の中には自分が知らない仕事が山のようにあるんです。