むらかみ内科クリニック

院長ブログ

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  • ガンの相談は難しい

    漢方を専門にしていると、いろんな難しい症例が集まってきます。更年期のようなものからガンの相談までいろいろです。毎日相当難しい症例ばかりたくさん見ているので、最近ではあまり悩まずにこの患者さんにはこの処方、と素早く決める事ができるようになりました。とはいえ、がん患者さんなどではこれからあと何年いきられるかわからない不安や残った人生をどう生きるべきかという哲学的なことも含めて意見を求められます。3分診療というわけにもいきません。今日もそのような新患さんが来られたので、一生懸命アドバイスしました。

    最近の医療では、絶対良いという方針はないため、いくつかの方針を示した後にどういう方法で治療したいかよく考えて結論を出してください、と患者さんに最終決定を委ねることもあります。しかし、患者さんは素人なので、なかなか結論に達することができません。私も、新患で初めてお会いした患者さんの性格や生き方、ライフスタイルなど何も知らないで意見を求められても簡単には答えられません。医学的判断というより、人生そのものを総合的に考えて結論を出さないといけないからです。

    とはいえ、せっかく家族も交えてこれからの生き方を相談されると、短い時間ですが必死に情報を集めて私の家族だったらどうしてあげたいかという立場で何らかの結論に導きます。できれば、私から言われたから(しぶしぶ)という感じではなく、お話しているうちに納得してその方向で行きたい、と自ら決定した形に持っていきたいものです。そのほうが、結果どうあれ幸せだと思うからです。