むらかみ内科クリニック

院長ブログ

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  • 循環器も漢方

    土曜日は鹿児島のみのりクリニックから斉藤先生に講演に来ていただきました。斉藤先生は私と同じ循環器が専門で、クリニックでは漢方を積極的に使っておられるそうです。私と専門も同じで漢方の使い方までそっくりだったのでびっくりしました。やはり、背景が同じような人が漢方を実践すると、ここまで似た傾向になるのかと思いました。ほとんど私の外来をそのままそっくり鹿児島に移したような診療風景でした。

    循環器内科は血圧や心不全治療薬の使い方が統計を駆使したエビデンスできまっており、内科のどの科よりもガイドライン通りの治療を行います。したがって漢方から最も遠い世界なのです。しかし、ガイドラインというのはあくまで最大公約数的なもので、100%どの人にもその通りの治療でいいというわけではありません。そこで、標準治療をするけどどうしてもうまくいかない患者さんが一定割合で発生します。そういう時こそ漢方の出番です。

    私は留学から帰ってきて大学病院に勤務していた時に熊本大学病院で漢方外来を始めました。標準治療では治らなかった人を診るためです。手術はうまくいったけど症状が取れないとか、検査しても異常はないとかいろいろな理由で西洋医学的にお手上げの患者さんも、漢方的に考えれば治療可能です。そのスタンスが今の当院の外来でもいかされていると思います。