むらかみ内科クリニック

院長ブログ

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  • 高齢者の鼻水

    歳を取ると不思議と鼻水が出るようになるようです。私の見ている患者さんたちからも、多数相談を受けています。朝起きたときに鼻水がサラサラと垂れてくることが多いようです。今からの季節は花粉症と紛らわしいのですが、花粉症のような季節ものではありません。一年通して鼻水がでるのです。専門的には、花粉症の鼻粘膜は浮腫(腫れている)のに対し、老人性鼻漏は鼻粘膜が萎縮しているようです。

    老人性鼻漏はアレルギーではないので抗ヒスタミン剤やステロイドの点鼻薬はあまり効かないのですが、古い抗ヒスタミン剤は多少効くようです。抗ヒスタミン剤には新旧あり、昔のものは眠気や口渇が強く、新しいものはこういった副作用が軽減されたものです。

    では、古い抗ヒスタミン剤を使えば解決するのかと言うと、そうでもありません。なぜなら、古い抗ヒスタミン剤は頭でも効果(神経伝達物質をブロックする)を発揮するため、ボーとするのですが、それが認知症を悪化させるのです。高齢者にとっては大問題です。そこで、いろいろ調べたのですが、鼻粘膜の血流低下と冷えが老人性鼻漏の原因なので、血流増加と冷えを改善させる漢方が有効なようです。それであれば、認知症を悪化させませんから安全です。しばらく追試してみて効果を確かめたいと思います。