むらかみ内科クリニック

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  • Q: 血圧の薬は止められますか?

    血圧やコレステロールの薬を飲んでいる患者さんからよく聞かれることがあります。この薬、いつまで飲まないといけませんか?そのうち止められますか?この質問に答えるためには、なぜ血圧やコレステロールを治療しないといけないかを考えないといけません。血圧やコレステロールは多少数値が悪くてもどうもありません。症状がないのに治療するには納得できる理由がほしいのはわかります。日頃の診療中になかなか時間がなくてゆっくり説明できていませんので、ここに書いておきたいと思います。

    むかし、血圧を下げる薬がなかった時代、脳卒中が避けられませんでした。アメリカの大統領でさえ、薬がないため血圧が300近くまで上がって脳卒中を起こした歴史があります。それが今、一日1回薬を飲めば高血圧はコントロールできるようになり、脳卒中はかなり減りました。コレステロールも脳卒中と関連しますが、もっと関連するのは心筋梗塞です。高コレステロールを治療することで心筋梗塞はかなり予防できます。

    人生90年の時代ですから、血圧やコレステロールの薬を飲み始める50歳位の人たちはあと40年生きます。その40年を無病息災で過ごせるかどうかは、血圧やコレステロールをいかにきちんと管理するかにかかっています。放っておいて、60歳位で脳卒中や心筋梗塞になれば、その先90歳まで生きることはできないかもしれませんし、生きたとしても生活の質(クオリティーオブライフ)が著しく低下します。したがって、血圧やコレステロール治療というのは健康で豊かな老後を過ごすための自己投資と考えていただきたいのです。

    A: 薬はやめられるかも知れませんが、あなた次第です。減塩、運動などで薬に頼らずうまくコントロールできるようになる場合もあります。しかし、薬を飲む飲まないにこだわるより、血圧やコレステロールをいかにきちんと管理するかが大事です。

    ソウルの写真は昨日で終了です。日韓関係はいつまでたっても良くない状態で、政治的にはイラつきますが、九州からはすぐ近くにある外国ですから気分転換に旅行するにはいいと思います。