むらかみ内科クリニック

院長ブログ

BLOG

  • 希ガスのような人を目指す

    皆さん、偶数と奇数どちらが好きですか?唐突な話ですが、好みがあると思います。例えば車のナンバープレート、お金を払えば好きな番号を入手できます。なんでもいいと言われたときにどんな番号のナンバープレートを自分の車につけますか?私の車のナンバーは偶数だけです。通勤で歩いていて通りすがりの車のナンバーも時々気になってみることがあります。3とか5とか7が好きな人もいれば、2,4,6などを好む人もいます。1188というナンバーはよく見ますが、「いいパパ」と読めるので、単に語呂合わせで、数字の好みではないと判断します。

    私はよく、数字を見ると元素の構造を頭に浮かべます。陽子の周りに電子が回っています。電子には軌道があり、電子殻といいますが、陽子に最も近い内側からK,L,M,N殻と呼ばれています。それぞれに収納できる電子数が決まっていますが、それは偶数です。その軌道に目一杯電子が入っていると非常に安定した形となります。そういう性質を持った元素を希ガスといいます。ヘリウム、ネオン、アルゴン、キセノンなどです。わたしは、電子数が偶数で安定した希ガスが好きだなーと思います。今気が付きましたが、私の車のナンバーはK殻2+L殻8+M殻8すなわちアルゴンです。

    ナトリウムやカリウムは奇数で最外殻に電子が一つしかないためその電子はどこかへ行ってしまって電子不足の状態(Na+, K+というイオン)のほうが希ガスに似た構造となり安定します。また塩素やヨウ素は最外殻に7個の電子があり、あと一つどこからか電子をもらって8個になったほうが希ガスと似た構造を取り安定します。それでは電子が1個余分ですから塩素イオン(Cl-)となります。人の性格もこれに似ています。やたら他人にちょっかいを出す人(陽イオン)、何もされていないのに影響を受ける人(陰イオン)、何事があっても動じない人(希ガス)、という感じです。私はそういう意味で希ガスのような人でありたいといつも思っています。今日の話は化学の基礎中の基礎で中高生には分かる話ですが、大人はきっと忘れてしまっていることでしょうね。