むらかみ内科クリニック

院長ブログ

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  • 分子栄養学

    栄養学は昔からある学問ですが、なかなか発展しません。脚気(かっけ)論争といって脚気の原因が感染症か毒物(カラダに悪いものを食べたため)なのかということを真剣に議論していた頃からまだ100年ほどです。結局ビタミンB1が不足すると脚気になるということがわかったのです。ビタミンB1は米ぬかに多く含まれているので、玄米を食べる田舎の人は脚気にならないのですが、江戸の金持ちは白米を食べるので脚気が多く発生し、江戸患いと言われていました。戦時中は海軍が野菜の少ない環境で脚気を患っています。海軍では元気よく戦うため白米を食べていたのが脚気を予防できなかったのです。

    現代はほとんど精米された輝くようなコメを好みます。小麦も真っ白、砂糖も真っ白です。白いということは雑味がないわけですが、栄養も抜けてしまっています。糠(ぬか)という漢字はコメの健康です。玄米を食べましょう。今日は私は分子栄養学の講演をしました。ビタミンや糖質が体の中でどの様に代謝されてエネルギーとなるのか、これをよく理解しないと患者さんの体調不良はうまく説明できません。

    先日、だるい、日中眠いということで来院された患者さんの食生活を聞くと、ほとんど炭水化物ばかりでした。そこで、炭水化物を減らしてタンパク質を取るよう指導したところ、あっという間に元気になりました。食は薬より大切です。