むらかみ内科クリニック

院長ブログ

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  • 高齢者の役割

    敬老の日でした。日本の高齢化はどんどん進み、敬老といっても、大半の人がそれに該当するような時代もすぐそこです。歳を取っても、健康でイキイキと楽しい生活ができるような高齢社会であってほしいと思います。

    人間の欲求には段階があり、生理的欲求(食べ物、排泄、睡眠など)、安全欲求(雨風をしのげる快適な住居、交通事故や転倒事故などのない環境)そして、社会的欲求(なにがしかのグループに参加して社会の一員として参加、貢献できること)といった、低次欲求から、承認欲求(さすがですねと、皆に認められる)、自己実現欲求(目標達成)という高次欲求があります。老人になった場合、老人ホームやデイサービスなどで一番下の生理的欲求と安全欲求だけはなんとか満たされるよう皆努力しています。しかし、その上の社会的欲求、や承認欲求というのはなかなか現実難しいところがあります。Facebookは同級生などの輪が広がっており、部屋に居ながらにして社会参加ができるという意味では社会的欲求を満たしてくれるツールです。寝たきりでも参加可能です。これからは高齢者ほどFacebookの時代だと思います。

    ほかにも、歌がうまいならカラオケサークル、将棋がうまいなら将棋サークル、体が丈夫なら街の中で自転車などの整理(アルバイト)など社会に参加する方法はいろいろあります。そうすることで、社会的欲求と承認欲求は満たされます。それができない場合工夫が必要です。例えば、男性のお年寄りの場合、デイサービスでビーチバレーなんてやってられないと思う人もいると思いますが、そういう人にはバレーの審判を頼むとか、トーナメント表を作ってもらうとか、なんらかの得意なことを生かした役割を担ってもらうことです。こういう工夫は全く介護保険の点数(施設としての報酬)につながりませんが、入居者さんの幸せを第一にいろいろ工夫してもらいたいなと思います。