むらかみ内科クリニック

院長ブログ

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  • 検査だけでは治らない

    せっかくの日曜は朝から7時間にわたる研修でした。東京の医師会館からの中継で全国で7500人もが受講したそうです。かかりつけ医の資格を取るのに必要な講習です。実際の講義はかかりつけ医とはなんの関係もなく、教科書的な内容を時間いっぱい網羅されます。例えば認知症。認知症の分類とか、適応薬剤についての話があります。しかし、私たちが日頃困っているのはそういう分類とか適応薬ではありません。認知症の問題は、効く薬がほとんどないこと、介護保険や医療保険のこと、老々介護のことなどです。そういう実際に問題になることを話題にしてもらいたかったですが、まあ国がする研修などはこの程度でしょう。

    実際の臨床現場でも、ひたすら検査して、病型分類して、結局この疾患には薬はないから経過観察だとか、そういう話はよく聞きます。病院としては、検査のところが一番収益になります。訳のわからない患者さんの話をだらだら聞いても収益は下がるばかりです。効率よくたくさん検査して、どうもないようですからとお引き取り願うのが一番儲かるのです。

    しかし、そのように検査はいろいろしたけど治りませんという人がとてもたくさんいます。臨床の現場は教科書にない難しい症例にあふれています。そこで、手持ちの駒(いろんな薬や手技)でとにかく症状を改善させる方法を考えなければいけません。当院では、西洋医学、東洋医学(漢方やはり治療)など幅広く治療法を検討します。検査データに出にくい心の問題からのアプローチも行なっています。

    なにげに信号停車中に窓の外を見たらふと目に止まるものが。私の名前(和憲)がこんなところに!