むらかみ内科クリニック

院長ブログ

BLOG

  • 唾液の重要性

    ためしてガッテンで唾液の話をしていました。口が渇くという訴えは結構多く聞かれます。最近は、寝ているときに口が開かないように口を閉じて固定するテープが売ってあるらしくそれを使っているという患者さんもいます。唾液は消毒作用があるため非常に大切なものです。唾液がないと口の中の清潔は保たれずばい菌が増えてしまいます。虫歯が増えたり口臭になったりします。番組の実験ではカルシウムがスカスカの歯の模型を2日ほど飴玉みたいに舐め続けてもらったら綺麗に再石灰化していました。これは、唾液中のアパタイトが歯を再石灰化するためです。食後は唾液中にアパタイトをたくさん含んでいます。そこで、食後すぐに歯を磨くより、しばらく再石灰化の時間を置いた方がいいと思います。小さな虫歯ならこの作用で自力で治るのです。

    番組では緊張すると口が渇く話をしていました。唾液は副交感神経が優位になると分泌されます。リラックスして食事している時が最も唾液が出ます。反対に緊張していると交感神経の作用で唾液は少なくなります。アレルギー性鼻炎などで薬を飲んでいると、その副作用で口が乾きます。過活動膀胱(頻尿)の治療薬でも口が乾きます。これは、抗ヒスタミン作用や抗コリン作用と呼ばれる薬剤の特性です。非常に多くの薬にこの作用がありますので、口が渇く時は自分が飲んでいる薬の副作用かもしれないと思ってチェックしてみてください。

    治療に関しては、人口唾液などありますが、私はあまり処方しません。漢方があるからです。シェーグレンのような難病でも、温清飲、六味丸、白虎加人参湯などが有効です。ためしてがってんではとても重要な唾液を出す情報がありました。紹介していたのはペットボトルに昆布を入れて水を入れてつくる昆布だしみたいなドリンクです。旨味成分が唾液を刺激するそうです。かつおダシでもいいかどうかは言っていませんでしたが、試して見る価値はあると思います。(がってんのHP参照→)

    http://www9.nhk.or.jp/gatten/articles/20180704/index.html

    熊本市動植物園に沈む夕日