むらかみ内科クリニック

院長ブログ

BLOG

  • 訪問診療で鍼治療

    訪問診療でご家庭をまわると、病院なら簡単にできることが簡単ではありません。検査も採血程度しかできないし、治療もほぼ飲み薬に頼りっきりです。そんな中、薬の内服が苦手な患者さんの訪問診療をすることになりました。体調が悪くても薬をのんでくれません。こうなると私たち医師が何かしてあげたくても限界があります。患者さんの話を「それは大変ですね」と傾聴しても、なんの足しにもなりません。その点、訪問看護師さんたちがやさしく声をかけたり血圧を測ったり、体を拭いたりしてあげることはとてもいい治療になります。私たちが訪問するよりずっと効果的だと思います。

    しかし、看護師さんの力に頼りっきりなのもいけないので、鍼治療の針をもって訪問しました。1日寝て過ごすため腰が痛いと言われるので、痛いところに鍼をしました。また、食欲が出るように足三里にも鍼をしました。さらに腰の方へ気の流れを良くするため腰痛に関連するツボを指圧しました。施術はほんの5分か10分なのですが、大変喜ばれました。

    それから2週間が経ち、今日もそのご家庭へ訪問です。すると、前回に比べてすごく元気になっていました。鍼の効果は通常2ー3日しかもたないのですが、その効果を持続させるためパイオネックスというシール型の針をツボに貼って帰ったのがよかったのかもしれません。今日も3本ほど鍼をして、あとは足のほうから腰へ向かって指圧しながら気を通しました。薬がのめなくてもこんな治療もできるというのは我ながらほんとうによかったとおもいます。