むらかみ内科クリニック

院長ブログ

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  • うつの治療は食事が基本

    うつの患者さんにいつも聞くことがあります。それは、ちゃんと食べているかということです。これは体を建て直す基本です。うつの人はなかなかきちんと食べられません。それは、そもそもうつになったきっかけが忙しすぎて食事もままならない生活をしていたということがよく見られます。また、うつになってしまったら、寝てばかりで昼まで寝て朝ごはんは食べない、外出しないから昼もあまり食べない、夜はちょっとだけという感じです。これでは病気は治りません。うつは心の病ですが、きちんと食べないと治せません。その点、ご飯が作れなくなって実家に帰ったらお母さんが3食作ってくれるので、食欲はなくても頑張って食べた、という人は、食べているうちに治ってくることがあります。

    鬱を治すのに必要な栄養は鉄分とタンパク質です。これがないと、頭のセロトニンという物質が足りなくなり、気分が落ち込んだり不安になったりします。また、タンパク質からセロトニンができる過程でメラトニンというホルモンも産生されます。メラトニンは睡眠に関連する大切な物質なので、タンパク質と鉄をしっかり取ることで、睡眠もよくなってきます。

    どのくらいのタンパクが適量かというのはいろんな説がありますが、体重キロあたり1gくらいと言われています。60キロの人なら60gのタンパクです。これは、ステーキに換算すれば300g程になるとのことです。これは結構な量です。日本人にとってその量を毎日取るのは結構きついと思いますが、ご飯やパンなど炭水化物を減らして、できるだけ肉と野菜をたくさん食べるメニューを工夫したいものです。(参考 http://www.shirokawa.jp/column/kawatani_akiko/2829/