むらかみ内科クリニック

院長ブログ

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  • 診療報酬は公定価格

    株価大暴落です。私は株を持っていないので、無傷でしたが、今日の下げは大きく、痛かった人も多いのではないかと思います。トランプ大統領が鉄鋼の輸入に高額の関税をかける決断をしたのが理由ですが、関税をかける相手国がナンバーワンの中国は想定内ですが、友好国の日本まで名指しされたものですから、日経もすごい下げとなりました。きっと、アメリカ抜きでTPPを推し進めた日本へのペナルティー的な決断でしょう。国会は森友問題ばかりで空転しているうちに世界はどんどん進んでいます。国会議員ははずかしい勢力争いはやめてきちんと仕事をしてほしいものです。

    ところで金曜の夜には4月からの診療報酬の改定に関する説明会があり、参加してきました。県立劇場のコンサートホールが超満員で立ち見状態でした。わたしたち医療関係及び製薬関係は自分たちの仕事に対する対価(価格)を自分で決めることができません。国が公定価格を決めるのです。価格を決めるだけでなく、その請求に関するルールも改定のたびに電話帳のような本になるので、読み込んで理解するのが大変です。例えて言うならたこ焼き屋さんでたこ焼き1個あたりいくらで10個以上なら1つあたりをいくらに値下げするとか、鰹節をトッピングすればいくら加算するとか、全部国が決めているようなものです。ちゃんと理解しないと値段がつきません。うっかりすると、上に載せた鰹節の値段を知らずに取り損なって損することもありえます。

    このように自由経済に反して国が政策的に価格を決めて誘導するのを計画経済といいます。計画経済は社会主義で、ソ連も中国も失敗しました。経済の有るべき姿は自由競争です。計画経済の寿命は70年程度と言われています(中国もソ連もそのくらいで社会主義が崩壊した)ので、日本の医療保健制度ももうしばらくで崩壊すると予想されています。我々クリニック経営者としてはそんな大混乱は望んでいませんが、世の社会原理がそうなので、今のうちから対策を考えるしか有りません。おそらく日本経済がデフォルトをおこすより先に医療経済に破綻が起こるのではないかと危惧しています。