むらかみ内科クリニック

院長ブログ

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  • 鉛筆はいいなあ

    小学校に入学すると、新しい鉛筆を削って筆箱に揃えます。なんだか嬉しい瞬間です。その頃から鉛筆に慣れ親しみますが、いつのまにかシャープペンシルを使うようになり、鉛筆は滅多に使わなくなります。次に鉛筆を握るのは大学入試の時です。マークシートは鉛筆で塗りつぶすように言われますので、小学校以来という感じで鉛筆を握ります。

    私のクリニックは電子カルテなので、患者さんから聞いた話は全てキーボードで入力します。多くの病院も同じだと思います。そうすると、患者さんが診察室で医師と話をしている際に、医師はあまり患者さんを見ず、パソコン入力に専念してしまい、患者としてはみてもらった感がないという弊害が出ています。私は、そういう電子カルテの問題を以前から感じており、今の私の外来では極力診察中はキーボード入力はしないように心がけています。その代わり、紙に鉛筆で聞き取った内容をメモします。以前はボールペンやシャープペンなど使いましたが、鉛筆はいいです。軽くてさらさら書けます。手の疲れが違います。そして一番は、患者さんとまっすぐ向き合いながら診察するので、会話の中のごくわずかな表情の変化を見逃しません。そして、診察が終わってからメモを見ながらカルテ入力するので、カルテは冗長にならずにまとまった文章になります。いいことづくめです。

    私たち医者は医学部に入るまでも入ってからもずっと勉強ですから文房具にこだわりがある人が多いと思います。それでも、私の場合、鉛筆の素晴らしさには今頃になって気がつきました。