むらかみ内科クリニック

院長ブログ

BLOG

  • 糖尿病と認知症

    ブルーインパルス、熊本に来ましたが、見ましたか?

    私はクリニックの駐車場でずっと待っていたら、真上を飛んで行きました。

     

    糖尿病の勉強会に参加しました。糖尿病の合併症についての講演です。糖尿病の合併症はたくさんあります。目の糖尿病性網膜症、心臓の心筋梗塞や狭心症、下肢の閉塞性動脈硬化症、足が痺れる糖尿病性末梢神経障害などなどです。特に心筋梗塞などは命に関わるのでこれまで重要視されてきました。しかし、これら大血管病変は医学の発展によりかなり抑制できるようになりました。

    一方、これからの糖尿病合併症として重要なのが認知症です。認知症はなかなか予防も治療も難しいのですが、糖尿病の合併症として認知症が起こってくるので、血糖コントロールを厳密に行うことで認知症が予防できるとのことです。これは今後重要なポイントとなることでしょう。

    もう一つの合併症が、ガンです。糖尿病で心疾患の合併症がうまくコントロールできて命を救われたと思っていたら、癌になってしまう、その確率が糖尿病がない人に比べて糖尿病があるとかなり高いそうです。がん細胞はクエン酸サイクルというエネルギー産生系がおかしくなっており、解糖系のエネルギー産生に頼っていることがわかっているので、糖が高いとがん細胞の餌がたっぷりあって増殖しやすい環境にあるのです。糖質制限が癌治療に有効というデータが最近話題です。

    やはりいつの時代も糖尿病は怖い病気です。ほとんどの場合、原因は食べ過ぎと運動不足ですから生活習慣をきちんとすることがまず第一です。