むらかみ内科クリニック

院長ブログ

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  • 緊張やストレスで下痢になる病気

    緊張やストレスで下痢になる人がいます。通常の胃腸薬を飲んでもなかなか治りません。内科や胃腸科にかかって胃カメラなどの検査をしても、たいした異常はないと言われます。これは過敏性腸症候群という病気です。世間はちょうど入試も終わりひと段落ですが、これから卒業式、入学式、就職、研修、と大きなイベントや環境の変化が次々と発生する時期です。こういう時にお腹が痛くなっては困ります。

    過敏性腸は内科や胃腸科にかかりがちですが、原因としてストレスが大きく関わっていることと、検査をしても大した異常がないことから、通常の内科よりは心療内科や漢方内科の方が得意な疾患です。私が総合病院で漢方外来を担当している時、時々消化器内科の先生から漢方で直りませんかと紹介状をいただいたりしていました。その当時のことを思い出すと、国家試験や公務員試験を控えた学生さんたちが藁をもすがる思いで漢方外来に来られていました。せっかくいい大学に入っても、国家試験や公務員試験に通らなくては意味がない、そう思えば思うほどプレッシャーで体調が悪くなるのです。

    話は変わりますが、今日診察した患者さんで、入学式や卒業式のような緊張する場面に最後までじっといられないという方がいました。似たような患者さんで、電車に乗れないとか、エレベーターが苦手とか、いろいろな場合があります。こういう特定の場面に対する恐怖症は薬で治療できます。また、精神科では薬だけでなく訓練(認知行動療法)で治す方法もあるようです。