むらかみ内科クリニック

院長ブログ

BLOG

  • レイノー現象

    冬の寒い朝に顔を洗おうとした時、冷たい水に触れた手指が1本または2−3本真っ白に血の気が引いたようになって痛む病気があります。レイノーと言います。ほとんどの場合、さすったり温めたりしているうちに20−30分以内には指の色は正常に戻りますから心配いりません。びっくりして救急車を呼んだら、救急隊がついた時には治っていた、ということがあります。

    レイノーが起こる原因は色々あります。一番気をつけないといけないのは膠原病です。喫煙者ならバージャー病というのがあります。また、動脈硬化がかなり悪化した場合にも見られます。これらの基礎疾患が隠れていないかがポイントとなります。

    私はこの冬にレイノーの患者さんを3人診察しました。まれな病気なのですが、結構いるもんだなと驚いています。漢方薬で、このレイノーを予防することができます。これまでの私の経験では、漢方薬をきちんと飲んでいれば、レイノーがほとんど起こらないのですが、飲み忘れた日に限って起こるのです。つまり漢方は症状を抑制するのですが根本治療にはなっていないかもしれないということです。それにしても、基礎疾患がわかればその治療に専念しなければいけませんが、基礎疾患がはっきりしない場合はあまり治療の方法がありませんから、漢方で抑えられるのであれば、それを利用しない手はないと思います。