むらかみ内科クリニック

院長ブログ

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  • 婦人科系の漢方

    漢方を専門にしていると、婦人科系の疾患で漢方希望の患者さんが結構来院されます。生理痛や月経前症候群、不妊症、更年期障害、子宮筋腫による貧血などなどいろんな疾患があります。

    昔から漢方というのは王様や殿様が使うもので、一般庶民にはなかなか手に入らなかったものですが、その殿様は何に漢方を使ったかというと、主にお世継ぎ誕生のためにお妃の健康管理を行ったものです。したがって、婦人科疾患に対する漢方の歴史は古く、処方もいろいろあります。

    婦人科系の処方で有名なのは当帰芍薬散や加味逍遙散というものがあります。しかし、私たち漢方専門医のところには、そのあたりの薬はとっくに婦人科でもらったけどあまり治らなかった、という症例ばかりが集まってきます。そこで私の外来ではそういった通常基本処方と言われるようなものの出番が少なく、もっと女性の体調そのものを整える処方を多く使います。その代表的な処方は十全大補湯です。この処方でまず基本的な体の気血水を整えてから治療していきます。すでに色々な漢方を試したけど治らない、という場合も、漢方が効かないとは限りません。まだ試していない処方があるかもしれません。当院では、漢方薬(主にエキス顆粒)は相当数扱っており、病態にあわせて2剤の組み合わせをすることが多いため、その組み合わせを考えると数百種類ものパタンができます。その中から患者さんに一番あった処方を見つけ出す、それが私の専門的な仕事だと思っています。