むらかみ内科クリニック

院長ブログ

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  • 血圧はオームの法則

    最近は朝晩の冷え込みが厳しいので、血圧が上がってしまう方も多いようです。寒いと血管が縮みますから血管抵抗が上がります。その結果、心臓からの心拍出量が一定だとすると血圧が上がるのです。中学校で習った電圧と電流に関するオームの法則(E=IR)と同じ原理です。

    では、塩分を摂りすぎると血圧が上がるのはなぜでしょう。これは、血液内の塩分濃度は一定になるように制御されているため、塩分摂取が多すぎるとそれに見合うだけの水分が体内に残ることになります。その結果、循環血液量が増加し、結果的に1回心拍出量が増えるため血管抵抗が一定だとしても血圧が上がります。

    逆に血圧を下げる方法を考えましょう。まず、塩分を制限することです。これは上に書いた血圧が上がる仕組みの反対ですから理解は簡単です。もう一つは血管抵抗を下げることです。コレステロールを管理して動脈硬化を防ぐこと、運動して血管に柔軟性を持たせること、そして痩せることです。血管は脂肪細胞に押しつぶされると抵抗が上がってしまいます、痩せる事で血管は広がりやすくなります。

    もう一つ血管の拡張・収縮を制御しているのが自律神経です。ストレスで縮み、リラックスで拡張します。また、寒いと縮み、温めると拡張します。そう考えると、高血圧は薬にばかり頼ることなく、塩分制限、ダイエット、ストレス回避、温めることなどで改善するということがわかりますね。