むらかみ内科クリニック

院長ブログ

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  • 薬のやめどき

    長尾和宏先生の新しい本の紹介です。昨日届いたので、今読んでいます。この本に書いてあることは、私も常々思っていたことで、ほとんど賛成です。たくさんの薬を飲んでいる人は、本当にそのメリットがあるのかどうかをよく考えないといけません。多剤の飲み合わせで何が起こるかなんて、世の中にほとんどデータがありません。

    本書は勝手に薬をやめないように書いています。さすがに素人判断で今飲んでいる薬をやめるのは危険です。是非ご相談ください。アドバイスを差し上げます。それから、若い時代にしっかりと血圧や血糖を管理しておくと、年をとってからくすりをやめても昔きちんと治療した効果が残るといいます。最近はそのような効果についての論文が次々と出てきています。そこで、もしみなさんがまだ現役の若い世代なら、勝手に薬をやめることより、きちんと治療する方が将来のためです。

    老人ホームなどに入っていてもコレステロールや尿酸の薬を飲んでいるようなら、本当にそれが必要かよく考える必要があります。医者としては、データを正常化した方が気分がいいので、いろんな薬を入れますが、採血データを治すのではなく、その人そのものの生活の質や将来の健康についてを考えないといけません。これはとても難しいことで、未だにあまりデータはありませんので、医学的というだけでなく、その人の将来の見通しなども踏まえた個々の対応が必要なのです。