来週半ば頃から雨は上がり、一気に暑くなりそうだとの予報です。昨日は、そのことに関連して、今のうちに暑さに体を慣らしておきましょうという話を書きました。暑さに体を慣らすことを「暑熱順化」と言うそうです。
今日外来に来られた患者さんの中には、暑熱順化とは直接関係ありませんが、かなり厚着をして来院された方が数名おられました。どうしたのかと思ってお話を伺うと、夏場はエアコンで体が冷えてしまい、外の暑さと室内の寒さとの温度差についていけず体調を崩すため、室内では冷えないように厚着をしているとのことでした。
この時期は、案外このような患者さんが少なくありません。当院では、このようなエアコンによる冷えで体調を崩す方に対して、漢方による治療を行っています。
夏の冷えに対する治療は、基本的には冬の冷えと同じ考え方ですが、温め過ぎるとエアコンのない場所では暑く感じやすくなるため、処方には注意が必要です。また、クーラーや扇風機の風に直接当たると体調を崩す方もおられますが、東洋医学ではこれを「表虚証」や「衛気不足」と考えます。体の表面を守る「気」が不足している状態とされ、このような場合には、桂枝や黄耆などを含む漢方薬を用いることが一般的です。
ともあれ、エアコンによる冷えで体調を崩している方も、漢方治療によって改善が期待できることがあります。「仕方ない」と諦めず、ぜひ一度ご相談ください。
一方で、夏に屋外で仕事をされる方や、部活動などでスポーツをされる方にとっては、熱中症への対策が重要になります。
建設業や造園業、農業、道路工事など、屋外での作業が欠かせない職種は数多くあります。猛暑日だからといって仕事を休むことは難しく、暑さ対策を講じながら作業を続けなければならない方も多いでしょう。
最近では、ファン付きの空調服を着用して仕事をされる方も増えており、「かなり楽になった」という声もよく耳にします。当院では、そのような方に対し、暑さによる体調不良を軽減することを目的として、体質に応じて漢方薬を処方することがあります。漢方によって、のぼせ感や暑さによる不快感が和らぎ、屋外での作業やスポーツがしやすくなる方もおられます。
また、お子さんの部活動を応援する保護者の方も、炎天下で長時間過ごすことで気分が悪くなることがあります。普段はエアコンの効いた室内で過ごしている方が、急に屋外で長時間活動する場合は、特に熱中症に注意が必要です。
もちろん、熱中症予防の基本は、暑熱順化を行い、こまめな水分・塩分補給や適切な休憩を取ることです。そのうえで、体質によっては漢方薬が暑さによる不調の軽減に役立つこともあります。ご興味のある方は、お気軽にご相談ください。
