むらかみ内科クリニック

院長ブログ

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  • インフルエンザ予防接種のあとが腫れたら

    インフルエンザの予防接種をすると、一定の確率で注射の跡が腫れる人が出てきます。これは卵アレルギーに起因するものと思われます。卵を普通に食べられる人でも、注射で皮下に薬が入ってくると、反応する場合があるのだろうと思います。原因はインフルエンザのワクチンが卵を使って製造されるからです。どこのメーカーのものでも同じです。一度腫れたら次の年も腫れやすいと思います。

    私の対応ですが、腫れましたと言って来院された患者さんにはリンデロンというステロイドの軟膏を塗ります。だいたいそれで落ち着きますが、ご家庭ではムヒのような虫刺され用の塗り薬でもいいと思います。ムヒにも種類があり、強力ムヒなどは抗ヒスタミン薬とステロイドの合剤になっていますので、とてもよく効くと思います。結局、注射で腫れるのも虫に刺されて腫れるのも似た病態なのです。

    なぜムヒが効くとわかったかというと、私自身がいつもインフルエンザの注射をすると注射跡が腫れていたからです。自宅でとりあえずムヒを塗ってみたら随分違いました。ステロイドを塗っても簡単に治ります。実体験です。ちなみに、ムヒを塗っても免疫はちゃんとつきますから、予防注射の効果が減弱する心配はありません。ステロイドの場合はちょっとわかりません。ステロイドの外用が予防接種の効果に影響するかどうかというデータはおそらく存在しないと思います。数回塗る程度では全身の免疫系には作用しないので、心配ないとは思います。

    お風呂でで温めたりかきむしったりすると腫れがひどくなりますので、あまり触らないようにして、腫れているところはアイスノンのようなもので冷やしたほうが治りがいいです。ちょうど今頃、予防接種に行ったら、注射の跡が痒くなってきました、という人が多いと思いますので、豆知識として書いておきました。もしムヒなどで1日様子を見ても良くならない時は早めにクリニックを受診されたほうがいいと思います。

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