むらかみ内科クリニック

院長ブログ

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  • 温活という風邪の予防法

    雨になり、満月は見えなかったですね。残念でした。地震のことを昨日のブログに書きましたが、ニュージーランドで大きいのがあったようです。まだ数日は用心しましょう。確か熊本地震は満月でなく半月でした。

    クリニックの仕事の方はというと、ずいぶん風邪で来られる方が増えてきました。まだインフルエンザは出ていませんが、時間の問題です。私が風邪を引いては商売上がったりですから、風邪なんかひいている暇はありません。先日のように自宅で煎じ薬を作って飲めばバッチリ効くのですが、仕事中にすぐ飲む薬が欲しいと思い、麻黄湯、小青竜湯、五虎湯などいろんな処方を取り揃えました。漢方はなるべく早く適切な薬を飲まないと効きませんからまずは準備が大事です。

    私たち内科医は1日に大勢の風邪の患者さんを診察します。中には目の前でゴホゴホされたりしますが、まずうつることはありません。なぜかというと、毎日少しずついろんなウイルスに接触することですでに免疫ができているからです。風邪にかかるかどうかはウイルスの強さだけで決まるわけではありません。ウイルスの強さと体力(免疫力)の相対的なバランスで決まるのです。たとえば学校の教室で大勢がインフルエンザにかかっても、絶対かからない人がいます。バカだからとかそんな言い方をしますが、実はそういう人の免疫は相当強いので、同じウイルスに暴露されてもかからないのです。免疫能はワクチンで高めることができますが、漢方でも高められます。ある種の補剤の漢方薬を飲んでいれば、めったなことでは風邪はうつりません。受験生をお持ちのご家族などはこういった漢方を家族みんなで飲んでおくのも良いかと思います。

    もう一つ、免疫能を高めるには体温が重要です。低体温ではウイルスが増殖しやすいことがわかっています。薄着をせず、暖かい格好をしましょう。また、冷たいものを食べず、暖かい食事をしましょう。運動をして体を温めるのも良いし、お風呂やサウナでしっかり温まるのもいいです。鎮痛剤(解熱剤)は体を冷やします。頭痛や腰痛などで鎮痛剤を頻繁に使うと冷えが強くなります。どうしても体温が低い人は葛根湯や生姜湯を飲んで体を温めましょう。麻黄附子細辛湯という素晴らしい漢方もあります。とにかく体を常に暖かく保つことが風邪の予防になります。最近ではこれを「温活」と呼ぶようですね。

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