むらかみ内科クリニック

院長ブログ

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  • 刺繍のデザイン

    今日も昼休みに訪問診療に行ってきました。とある患者さんのお部屋に行くと、なんと数日前にこのブログに使った私の花の写真がプリントして飾ってありました。そして、その写真は同じ老人ホームの別の入居者さんが刺繍をするときに花のデザインの参考にしたいから、ということでプリントしたとのこと。嬉しいですね。

    その刺繍をされる方も以前は私が病院の外来で診ていたのですが、介護保険の要介護度が低い(症状が軽い)ために訪問診療の適応とならずに残念ながら最近はフォローできていませんでした。その介護保険ですが、訪問診療や訪問看護、訪問介護、訪問リハなどなどいろいろなサービスを受けるには介護保険の認定が不可欠です。最近は国の方針で病院の長期入院をさせないように政策として仕向けられており、必然的に在宅へと向かっています。在宅となると、家族、とりわけ子供やお嫁さんが介護に携わらなければなりませんが、介護のために仕事を辞めざるをえないとか、仕事で稼いできた分を全て介護につぎ込まないと足りないとか、いろんな話を聞きます。

    私たちにして差し上げられるのは、介護保険を申請する際の主治医意見書という書類を書くことですが、さらっと書くのではなく出来るだけ日常生活に困っているエピソードとか、認知症の問題を些細なことでも逃さずに書き込んでおくことです。すると、見た目には全く問題ないような方も、介護する家族にとっては大変なことがいろいろあるとわかってもらえて、要介護度が上がり、受けられる介護系のサービスが増えます。

    そう思って主治医意見書を頑張って書いていたのですが、最近日経メディカルオンラインを見たら、要介護度の判定は主治医意見書より実地調査で殆ど決まるということで、私たちの努力は役に立っていなかったのだろうかと、がっかりした今日この頃です。

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