むらかみ内科クリニック

院長ブログ

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  • 姿勢良く座るということ

    背筋を伸ばして姿勢良く座るのは案外難しいことです。そのことについても昨日の統合医療学会で講演がありました。骨盤は逆三角形をしており、その上に背骨がSの字を作るように乗っており、一番上に頭が乗ります。ちょうど傘の先を手のひらに乗せてバランスをとるような、そんな状態になっているのです。

    そこで、椅子に座っていると、どうしても骨盤(仙骨部)がバランスをとらなくてもいいように後ろに傾いてしまい、結果的に猫背になるそうです。

    パソコンやスマホを見ながら作業すると、さらに猫背になりやすいので、頭の位置が背骨の積み上げたてっぺんでパランスのとれる位置にならず、肩、首の筋肉を使ってなんとか支えているのです。その結果、肩こり、首こりから慢性頭痛となり、薬を飲んでもなかなか治らない状態になってしまうのです。

    では、姿勢を良くするためには、努力が必要なのでしょうか?答えはYESです。立ったときの姿勢を椅子に座っても保つためには腰骨を少し前にそらし、背筋をぴんと伸ばさないといけないのですが、その姿勢を維持するには腹筋、脊柱起立筋、腸腰筋などの筋力が必要だとのこと。つまり、姿勢維持体力というものがないときちんとした姿勢が保てないそうです。

    その姿勢維持体力をつけるにはおそらくいろんなストレッチや筋トレの方法もあるでしょうが、毎日5分でも10分でも背筋を伸ばしてきちんと座る努力をすること、それ自体が筋トレになるそうです。統計によると日本人は世界一座っている時間が長いそうです。そのデスクワークの際にきちんとした姿勢で座る努力をすると、肩こり、首こり、頭痛が改善するようです。そのためにはちゃんとした椅子を使い、パソコンやディスプレイの高さを調整して猫背にならない姿勢で仕事できるように肝鏡を整える必要がありそうです。

    道具を使えばもっと簡単にいい姿勢を保ちながら座れるのではないかと思い、先日このブログでも紹介した「やわこ」というテニスボールを2つつながったようなマッサージ器具を使って今日いちにち座り方を研究したら、案外簡単に背筋が伸びることがわかりました。しばらく実践して見たいと思います。

    この講演をしていただいたのは、早稲田大学で姿勢の講義を担当されている碓田先生でした。

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