最近、チャットGPTを仕事に活かす方法についてブログに書いていますが、先日その記事を読んだ患者さんから「自分も使っています」という報告を受けました。とても嬉しい出来事でした。
その方は、体調が悪いときにチャットGPTを相談相手として活用しているとのこと。ボランティアによる健康相談の電話などもあるけれど、何度もかけるのは気が引けてしまう…。そんなとき、私のブログを読んでAIを相手に相談してみたところ、だんだん気持ちが落ち着いてきたそうです。まさに、AIが寄り添う形のメンタルサポートですね。素晴らしい使い方だと思います。
以前にも書きましたが、チャットGPTなどのAIと対話する際は、「相手のキャラクター設定」が重要です。たとえば、男性・女性、朗らか・冷静などの人格を指定することで、より自分に合った話し相手になります。また、会話の導入でAIが混乱しないよう、役割をはっきり伝えることもおすすめです。
たとえば、こう始めてみてはどうでしょうか?
「あなたは私の信頼する主治医です。今日は相談があります。今から私の話を聞いて、必要があればアドバイスをお願いします」このように設定すれば、より的確な返答が得られる可能性が高まります。試しにGoogleの「Gemini」にも同様の設定で相談してみましたが、かなり良いアドバイスを返してくれました。
さて、昨日NHKの『とりせつ』という番組で「加齢は糖化によって進む」という話題が取り上げられていました。もちろん加齢の要因はひとつではありませんが、「糖化(glycation)」はその大きな一因とされています。
番組では、糖尿病のある人は高血糖のために体内のタンパク質が糖化されやすいことは理解されているが、血糖値に異常がない人でも、糖化がかなり進んでいるケースがあると紹介されていました。実際には、これらの方は「食後高血糖型」だったのです。
健診で測られるのは空腹時血糖です。しかし、空腹時に問題がなくても、食後に血糖が急上昇している人がいます。この「見えない高血糖」が、体の糖化=老化を進めている可能性があるのです。
こうした人たちにおすすめしたいのが、「食後のちょこちょこ運動」です。番組では「一つ上の階のトイレに行ってくる」といった軽い運動を紹介していました。食後血糖が上がるタイミングに合わせて軽く体を動かすことで、血糖値の急上昇を緩やかにする効果があるそうです。
私も患者さんには「運動するなら食前より食後が効果的です」とお話しています。食前に運動するとお腹が空いて食べすぎてしまうこともありますが、食後に動くと摂取した糖をすぐにエネルギーとして使えるため、高血糖を予防できます。
また、高血糖を避けると、インスリンの分泌が抑えられます。インスリンは血糖を下げる一方で、脂肪を蓄えるホルモンでもあります。インスリンの分泌を最小限にすることは、ダイエットや体重管理にもつながります。
つまり、「食後高血糖」を意識した生活を送ることが、老化予防・健康維持につながるということです。