日曜は荒れ模様の天気となりました。先週までの暖かさとは打って変わって、まるで冬に逆戻りです。「寒い!」と思いつつも、私はこのヒヤッとした空気がなんだか嬉しくなり、小雨の降る中、健軍商店街まで散歩に行きました。もともと冷え性だったのですが、最近は暑がりの体質に変わってしまい、今日くらい冷えたほうが快適で気持ちがいいと感じました。
昨日、蔦屋に行き、雑誌を2冊買いました。どちらもTarzanという雑誌で、特集テーマは「血圧・血糖値・コレステロールの大正解」と「科学的に正しいツボ押し」の2つです。最近、週刊誌や文庫本などで「血糖やコレステロールは高くても大丈夫」というような風潮を見かけますが、学会のガイドラインとはかけ離れた内容が多い印象でした。しかし、今回のTarzanの特集は、きわめて常識的で、私が見ても正しい内容だったので購入しました。待合ロビーに置いておきますので、興味のある方はぜひご覧ください。
循環器の領域は数値として結果が明確に出るため、良い・悪いがはっきりします。学会でも「大規模臨床試験」といって、数千人規模の患者さんを対象に、どの治療法が予後を改善するかが科学的に検証されています。ガイドラインは、そうしたデータに基づいて作成されているため、無視するのはあまり良くありません。
しかし、患者さんは「数千人の平均」ではなく、それぞれ個性があります。何を食べるか、どこに住んでいるか、どんな仕事をしているか、運動の習慣はあるか——そうした生活環境によって最適な治療法も変わってきます。したがって、ガイドラインに書かれている「平均的な治療方針」がすべての人に当てはまるとは限りません。ただ、こうした個別対応はエビデンスが少なく、科学的な裏付けが難しいのが現状です。
この点で、オンライン診療やAIを活用した医療相談では、基本的にガイドラインに沿った回答しかできません。一方、私たちかかりつけ医は、患者さんの個性や生活背景を理解した上で、より適切な治療方針を考えます。ガイドラインを理解したうえで、その人に合った処方やアドバイスをする——そこが私たち医師の役割なのです。