去年の年末まで、イオンモール・クレアのジムに通っていたので、毎週土日祝日は必ずと言っていいほどクレアに行っていました。ジムで5キロ走り、温泉に入り、その後モールをぶらぶら散歩するのがルーチンでした。年に換算すると、100日近くクレアに通っていた計算になります。
そこまで温泉が好きかと考えると、実はそうでもありません。今ではまったく行かなくなりました。ジムはチョコザップに通うようになり、モールの散歩も、ゆめタウン、サクラマチ、鶴屋など、週替わりで変化をつけるようになりました。温泉も毎回違うところに行くのですが、「今日は寒いからやめておこう」とか、「鶴屋に散歩に行くと温泉の時間が取れない」といった理由で、行かないことも増えました。改めて考えると、ショッピング、ジム、温泉が同じ場所で完結していた以前の生活は、非常に効率的だったのだと気づきます。
効率的といえば、「タイパ(タイムパフォーマンス)」や「コスパ(コストパフォーマンス)」という言葉が思い浮かびます。先日読んだ『今日、誰のために生きる?』という本には、「効率を追求した先に幸せはあるのか?」という問いがありました。その答えを考えると、おそらく「ない」と言わざるを得ません。幸せとは、行くのにも時間がかかる秘境の温泉や、スーパーで買うのではなく家庭菜園で一年かけて収穫する作物のように、一見ムダとも思える時間と労力をかけた先にこそ見いだせるものではないかと思います。
現実には、人手不足で3人でしていた仕事を2人でこなしたり、掃除の人を雇えず社長や店長が掃除をして帰るといった状況が当たり前になっています。そんな中で、ムダとも思えるような時間をかけることは、多くの日本人にとって贅沢な夢のような話になってしまっています。
さて、この本のタイトルにある『今日、誰のために生きる?』ですが、これはアフリカのある町の人々の挨拶言葉だそうです。「あなたは今日、誰のために生きましたか?」という問いに対する正解は、「自分のため」だと本には書かれています。自分を大切にし、自分を褒め、自分が精一杯幸せになることが第一条件です。それができて初めて、人に愛情を分け与えられるのです。自分の中に溢れんばかりの愛と幸せがないのに、人のために尽くそうとしても、それは空虚な行為になってしまいます。同じことをしてもらうなら、愛情いっぱいの気持ちでしてもらったほうが、相手も嬉しいに決まっています。
私の患者さんの中には、自己犠牲によって体調を崩してしまった方がたくさんいます。子どもや夫、親のために人生のほとんどの時間を費やし、自分のことは後回し。誰が見ても幸せそうには見えず、無理をしているお母さんたち。そんな方々には、「まず自分を大事にしてください」と伝えたいです。
「人は鏡」と言います。自分がニコニコしていると、周りの人も自然とニコニコします。逆に、眉間にシワを寄せていると、周りも居心地が悪くなるものです。「なぜ自分の周りの人たちは機嫌が悪いんだろう?」と思ったとき、それはもしかしたら自分自身が不機嫌に見えているからかもしれません。
笑顔は、作り笑いでも構わないのです。ハンバーガーショップの店員さんのスマイルは、練習の成果です。その笑顔が店の雰囲気を良くし、お客さんとのコミュニケーションを円滑にするのです。だからこそ、笑顔を作る努力をすることは、とても大切なことなのだと思います。
サクラマチ3Fで見つけた韓国チゲ専門店「東京純豆腐」にて
牡蠣スンドゥブ(季節限定)