むらかみ内科クリニック

院長ブログ

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  • 漢方の達人

    漢方の定例の勉強会に参加してきました。私はこの会の世話人ですが、漢方の勉強会というと、私より30歳以上年上の先輩ドクターも現役で活躍されています。その中のお一人に10年くらい前に鍼治療を教えてもらい、今に至ります。

    漢方や鍼の達人は、気の流れに理解があり、良い食べ物から良い気を取り入れ、自分に適した運動を行い、養生のプロという感じがします。80歳過ぎても血圧やコレステロールなどの薬は一切飲まず、ダイエット(制限食)なんて必要ないと言われます。人生、美味しいものを食べ、美味しいものを飲まないで何が楽しい、とのこと。おっしゃる通りです。しかし、そうは言いながら、さすがに自然療法のプロですから西洋薬を使わなくても自分の気のコントロールができているのです。漢方の達人はいくつになっても元気でみんなからさすがに漢方医は自分の健康もうまくコントロールできるんだね、と言われたいものです。

    私自身ももう直ぐ50歳ですが、血圧もコレステロールも全く問題ありません。西洋薬は何も飲んでいません。漢方も必要な時に必要なだけしか使いません。ただ、最近は霊芝が良さそうなのでお茶みたいにして飲んだりしています。あとは食事と運動に気をつけて健康を維持しています。

    外来で見る患者さんにも、できるだけ薬を少なくしてあげたいと思っています。西洋薬を飲めば飲むほど不自然な方向へ進みます。ただ、血圧が高かったり血糖が高い患者さんはどうしても飲んでいただかないといけない薬があります。そこは、工夫しながら一つでも少なくしていきます。近所の老人ホームに入居されている80過ぎの方が慢性心不全で10種類以上の薬を飲んでおられました。どの薬も循環器内科のドクターとして考えるとエビデンス(統計に基づいた科学的根拠)があり、使った方がいいとは思うのですが、80過ぎて10種類以上の薬を飲めば、それだけでお腹いっぱいです。来院されるたびに薬を減らし、今では半分くらいにできました。もちろん減らすだけではうまくいかないので、薬を変更しながら最小限どうしても必要な薬だけに絞っていきます。そして、減らせば減らすだけお元気になって来られる姿を見て、「やった」と心の中で喜ぶのです。

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    累々と湧き出る江津湖の湧き水です。地震で断水していた時はこの水に助けられました。あれから半年が経ちました。