当院は開院して8年が経ち、患者さんにお配りしている診察券の番号も2万を超えました。長年通院していただいている方々も、8年の間に足腰が弱くなったり、車の免許を返納して通院が難しくなったり、在宅酸素が必要になったりと、それぞれ加齢に伴う変化が出てきています。それに伴い、自宅まで往診してもらえないかというお問い合わせも頻繁にいただくようになりました。
当院では昼休みの時間を少し長めに確保し、その間に私と看護師のペアで訪問診療を行っています。訪問先の多くは近隣の老人ホームやグループホームなどの高齢者施設ですが、個人宅への訪問もいくつか対応しています。
訪問診療と往診の違いについて、ご存じない方もいらっしゃると思いますので、ここで説明しておきます。往診は、体調が悪く来院できないため、診察に来てほしいという依頼を受けて行うものです。これはあくまで臨時の対応であり、定期的・長期的に行うものではありません。一方、訪問診療は、体調に関わらず月に2回程度の定期訪問を行い、血圧や健康状態のチェック、処方などをする制度です。多くの場合、介護保険の申請を済ませ、要介護認定を受けた方が対象となりますが、必要に応じて介護認定のない方への訪問診療も可能です。訪問診療を利用するには契約書の作成が必要となり、本人が認知症や寝たきりで手続きできない場合は、ご家族が代わりに契約することも可能です。
まれに、これまでまったく通院歴のない方から往診の依頼を受けることがありますが、患者さんの病歴や現在の健康状態が分からないと、往診しても適切な診断や対応が難しいため、少なくとも数カ月は通院していろんな検査をさせていただきたいと思います。長年通院されている方であれば、持病や治療歴の情報があるため、できる限り対応したいと考えています。ただし、現在1日10件ほど訪問診療を行っており、追加の臨時往診を受ける余裕があまりありません。しかし、ご近所であれば調整が可能な場合もありますし、その日の訪問診療のルートに近い場合は対応できることもあります。まずはご相談いただければと思います。
少しだけ雪が積もりました