むらかみ内科クリニック

院長ブログ

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  • 若い頃の勉強は脳のフォーマット

    共通テストが終わったところですが、今度は高校入試が始まったようです。皆さん、これまでの勉強の成果を精一杯発揮してください。

    私は高校受験も大学受験も公立(国立)の本命1本しか受けませんでした。友人や先生からは、「滑り止めでひとつ受かっていれば気持ちも楽になるから受けておいたほうがいい」と言われたのですが、自分としては高校も大学もここに行きたいと決めたらその他はあまり眼中になかったので受ける気もしませんでした。そんな人はめったにいないので、今でも当時私の中学の担任だった先生とお会いすると、そのことを言われます。

    試験勉強に関して言えば、私は一夜漬けというものをしたことがありません。いつも試験日からさかのぼって必要な日数を計算し、毎日今日はどの科目のどこを勉強すると試験の日までに全項目を終わらせ、時間があれば2回目3回目と教科書や参考書を読み直すスケジュールまでたてて、そのとおりに実行しました。なので、前日慌てて勉強するということはなかったのです。

    医師国家試験の勉強量は、一般的な試験とは比べものにならないほど膨大です。教科書だけでも何十万円分、数十冊の本で勉強しますが、やってもやっても終わらないし、頭に記憶できる限界を超える量を勉強するので、ひとつ覚えるとひとつ忘れる、みたいな世界です。くじけないように大学の講義室で友人たちと夜遅くまで毎日勉強しました。

    結局、高校生の頃、将来なんの役にも立たない微積分とか世界史とか死ぬほど勉強したのは、脳の空きスペースにとりあえず仮の知識を詰め込めるだけ詰め込んでおいて、大学になってから大事な医学の知識に全部入れ替えたような感じです。高校までの脳の柔らかいときにいったん脳をフォーマットしておいたおかげでその後どんどん知識をいれる事ができるのだと思います。

    つまり、高校時代の学習は単なる知識の蓄積だけでなく、その後の人生で必要となる「学ぶ力」を育てる大切な機会なのだと思います。