むらかみ内科クリニック

院長ブログ

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  • 頭痛の講演会でした

    毎日のようにWEBで講演会があります。心不全、腎不全、糖尿病、漢方などがテーマだと、できる限り聞いて勉強するようにしています。今日は「頭痛」をテーマにした講演会に参加しました。頭痛は患者さんが非常に多い疾患で、専門的に診療する頭痛クリニックもあるほどです。当院では漢方を専門としているため、通常の頭痛薬が効かない、あるいは頭痛薬の飲み過ぎで体調が悪化してしまったという相談を受けることが多くあります。今回の講演では、頭痛をきちんと分類し、疾患ごとに対策を考えることの重要性や、薬物治療だけでなく、生活習慣(食事や運動など)の見直しが必要だという点について学ぶことができました。また、私が取り組んでいる分子栄養学とも関連が深く、慢性頭痛にも栄養学的なアプローチが大切であると再認識しました。

    片頭痛体質の女性では、生理前や雨の降る前に頭痛が悪化すると訴える方が多くいます。最近では「気象病」や「天気頭痛」とも呼ばれていますが、基本的には片頭痛であることが多いようです。また、音や光に敏感で頭痛やめまいが生じる人も多く、これも片頭痛に分類されます。このような感覚過敏型の片頭痛患者には、私は抑肝散加陳皮半夏を処方することが多いです。これは体質改善を目的とした漢方薬で、鎮痛効果ではなく根本的な改善を目指しています。

    また、鎮痛剤の常用により、頭痛が悪化する「薬物乱用型頭痛」という病態も存在します。これは鎮痛剤を服用することで次の頭痛が誘発されるという負のスパイラルが特徴です。抑肝散加陳皮半夏は、この悪循環を断ち切る働きがあり、服用を続けることで次第に鎮痛剤が不要になり、薬物乱用から脱却できるケースが多くあります。当院でも多くの患者さんに使用し、良好な結果を得ています。鎮痛剤を過剰に使用すると、胃潰瘍や腎不全など重大な健康被害を引き起こすリスクがありますので、頭痛予防策をしっかり立てることが重要です。